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Opto-Engineering社(オプト・エンジニアリング社)

Optoengineering社は、イタリアを拠点とするマシンビジョン光学イメージング技術のリーディングカンパニーとして、高品質な光学部品、カメラ、照明、ビジョンユニットなどの設計、製造、販売を手がけています。特にテレセントリックレンズ技術において世界をリードしており、類を見ない光学ソリューションのサプライヤーとして世界的な評価を得ています。

同社の製品ラインナップには、一般的なテレセントリックレンズに加え、独自の外観検査用・内観検査用レンズ、360度マルチビューレンズなど、革新的で特徴的な製品が揃っています。

グローバル展開にも積極的で、アメリカ、ドイツ、中国に子会社を設立し、充実した技術サポート体制を確立することで、世界中の主要なマシンビジョン企業との取引を実現しています。

クロニクスではオプトエンジニアリング社の液体レンズ製品以外を取り扱っております。

  

テレセントリックレンズ

オプトエンジニアリング社は多様なニーズに対応するため、さまざまなシリーズのテレセントリックレンズをラインナップしています。

TCシリーズ

TC

TCシリーズは同社の基本となる標準的な双側テレセントリックレンズです。

シンプルかつ堅牢な設計を実現しており、産業用途に必要な性能と信頼性を兼ね備えたモデルです。ほぼゼロに抑えられた歪曲収差により、高解像度イメージセンサーの性能を最大限に引き出すことが可能です。

本シリーズには以下のようなマイナーチェンジが存在する

型番 最大対応センサー 倍率
TC 2/3インチ 0.025-2倍
TC1MHR 1/1.2インチ 0.045-0.639倍
TC2MHR 1インチ 0.053-0.768倍
TC3MHR 1.1インチ 0.059-0.850倍
TC4MHR 4/3インチ 0.059-4倍
TC10M APS-Cまでのセンサーおよび4Kラインスキャンカメラ用 0.075-0.888倍
TC12M APS-Hまでのセンサーおよび4Kラインスキャンカメラ用 0.1-1.825倍
TC16M 43.3mmおよび8Kラインスキャンカメラ用 0.116-4倍
TCSE 4/3インチ、APS-C、APS-H、フルフレームセンサー用 0.366-2.750倍
TC12K 62mmおよび12Kラインスキャンカメラ用 0.26-0.96倍

TCLWDシリーズ

TCLWD

TCLWDシリーズは特に電子部品や半導体検査(AOI)、工具プリセッティングマシン向けに設計されたラインナップです。同社のテレセントリックレンズとしては特に長い作動距離と高NAに重点を置いているモデルとなります。

最大の特徴は優れた光学解像度、高いテレセントリック性、低歪みを確保しながら 132mm の作動距離を備えていることにあります。これにより、照明器具やピックアップツールを設置するスペースを確保したり、危険な製造プロセスからレンズを離す必要のある場合に有利に働きます。また、高い開口数(NA)も確保しているため、高解像度・小ピクセルサイズのカメラ性能を最大限に引き出し、一般的な2D測定システムに最適です。

また、TCLWDシリーズは、同社のテレセントリック照明器やクランビングサポート、LTRNリング照明器などの関連製品に対応しており、測定された光学パラメーターの詳細なテストレポートが付属しているため、システム構築が容易です。

TCLWD 2/3インチ 作動距離132mm 0.5-3.5倍
TCLWD3M 1.1インチ 0.2-1倍
TCVLWD 1/1.8インチ 長作動距離 0.5-3倍

TCHMシリーズ

TCHM

TCHMシリーズは同社の提供するテレセントリックレンズのラインナップの中でも、特に高倍率に特化したシリーズです。1~6倍の広い倍率範囲をカバーしており、これによって小さな部品や微細な構造を高精度に拡大して観察・測定することが可能になります。

コンパクトテレセントリックレンズ

オプトエンジニアリング社のコンパクトテレセントリックレンズは、従来の両側テレセントリックレンズと比較して50~70%の小型化を実現しつつ、標準的な光学性能を維持することに成功した画期的な製品群です。

産業界では、より小型のビジョンシステムや測定器が求められる傾向にあり、小型化による輸送時のリスク低減や、保存スペースの削減など製品のライフサイクル全体を通じてコスト削減効果をもたらすことが期待されます。同社のコンパクトテレセントリックレンズはこの市場ニーズに直接答える製品として位置づけられています。

TC COREシリーズ

TCHM

TC COREシリーズは最大2/3インチのイメージセンサーに対応したコンパクトな両側テレセントリックレンズです。倍率は0.052から0.184倍の範囲をカバーしています。

本製品の大きな特徴として、4方向からの取り付けが可能な独自の形状を採用しています。これにより、クランプを使用せずに様々な方向での取り付けが可能となり、システム全体のコスト削減にも寄与します。また、この柔軟な取り付け方法により、非常にコンパクトな機械への取り込みや後付けも容易になっています。

型番 対応センサー 倍率
TC CORE 2/3インチ 0.052-0.184倍
TC1MHR CORE 1/1.2インチ 0.087-0.222倍
TC2MHR CORE 1インチ 0.104-0.267倍
TC3MHR CORE 1.1インチ 0.118-0.303倍
TC4MHR CORE 4/3インチ 0.143-0.366倍

TC CORE PLUSシリーズ

TCHM

TC CORE PLUSシリーズは同社が提供するコンパクトレンズ群の中でも、特に大きな視野(FOV)を必要とする用とに特化して設計された製品です。倍率は0.027から0.059倍と、TC COREシリーズ(0.052~0.184倍)と比較して、より低倍率域をカバーしています。

本シリーズの特徴として、大きなFOVを実現しながら、従来の同等製品と比べて全長を45%短縮できている点にあります。これは、天体望遠鏡で使用される反射屈折式(カタディオプトリック)光学系からインスピレーションを得た特許取得済みの工学設計によって実現されています。

また、TC CORE PLUSシリーズは1/1.8インチおよび2/3インチの最新のCMOSセンサーに最適化されており、特にテレセントリック照明と組み合わせた際のシステム全体の小型化を重視して作動距離が設計されております。取り付け方式についても、このシリーズ独自の特徴として、追加のクランプを必要としない取り付けフランジが組み込まれており、システムインテグレーションの簡素化とコスト削減に貢献いたします。

想定される用途としては、主にボルトの測定やスマートフォン等のバッテリー測定、大型部品の2Dプロファイル測定などの大きなFOVが必要な検査に適します。

型番 対応センサー 倍率
TC CORE PLUS 2/3インチ 0.027-0.059倍
TCHR CORE PLUS 4/3インチ 0.053-0.117倍

TC4Kシリーズ

TCHM

TC4Kシリーズはラインスキャンカメラ用に特化して開発されたフラット形状のテレセントリックレンズです。最大28.7㎜までのイメージセンサー(例:7μmピクセルサイズで4096ピクセル)を兼ね備えたラインスキャンカメラに適するように開発されており、0.159~0.478倍の倍率をサポートします。

本シリーズ最大の特徴はその形状設計にあり、従来の円筒形状ではなく、フラットな形状を採用しています。サンプルやカメラ自体を移動させる必要がある画像スキャンシステムでの寸法的な制約に対応するために開発された設計です。専用のCMMR4Kミラーを搭載することにより、直角90度の光路変更が可能となり、空間的制約の厳しい場所への設置を容易にできます。

また、標準のFマウントやM42マウントを兼ね備えており、一般的なラインスキャンカメラとの互換性を確保しています。

  

同軸テレセントリックレンズ

TCCXシリーズ

TCHM

TCCXシリーズはTCLWDシリーズと同じ0.5~3.5倍の倍率と132㎜の作動距離を備えながら、同軸照明を統合した設計が最大の特徴です。この同軸照明の統合により、特に平面の検査や測定に特化した性能を発揮します。同軸に配置された照明により、表面の凹凸がある対象物に対して均一な証明を提供でき、物体表面の傷や微細な欠陥検出において力を発揮します。

特に、反射率約30%以上の反射率の高い平面を検査する場合に最適な選択肢となります。これは独自の光学設計により、従来の同軸照明システムで問題となっていた内部反射の課題を最小限に抑えることに成功したためです。

一方で光学性能面では、大きな開口数(numerical aperture)を実現しており、これにより小型ピクセルサイズや高解像度センサーとの組み合わせが可能となり、高度な検査要件に対応できます。

一般的なアプリケーションには、シリコンウェーハパターンの認識や、LCDディスプレイ、研磨された金属表面、プラスティックおよびガラスパネルなどの検査が想定されております。

型番 対応センサー 倍率
TCCX 作動距離132mm 2/3インチまでの同軸テレセントリックレンズ 0.5-3.5倍
TCCXHM 2/3インチまでの高倍率同軸テレセントリックレンズ 0.2-6倍
TCCX2M 1インチまでの同軸テレセントリックレンズ 0.3-4倍
  

特殊テレセントリックレンズ

TCDP PLUSシリーズ

TCHM

TCDP PLUSシリーズは1つのレンズシステムに対して、2台のカメラをサポートして2つの異なる倍率で同時に撮影が可能となる特殊なレンズシステムです。1つのレンズと1つの照明、1つのマウントだけで2つの倍率での同時測定が可能となるため、ほかのレンズシステムよりも必要なコンポーネントが減り、コストを大幅に削減が可能となります。この特殊な設計により、倍率を切り替える度にキャリブレーションを行うことなく、完璧な再現性が保証されます。

想定されるアプリケーションの一例として、電子基板検査において、同じ基盤上の同じ部品を異なる倍率で同時に検査などがあげられます。また、同社のCMHOクランプ機構や、LTCLHPコリメート照明、さらに標準TCシリーズように設計されたLTRNリング照明器との互換性もあります。

TCZRSシリーズ

TCHM

TCZRSシリーズは電動制御システムを搭載している多倍率テレセントリックレンズです。バイポーラステッピングモーターとインクリメンタル時期エンコーダーを組み合わせることで高精度な位置決めを行うことができ、この機構によって倍率変更時に再キャリブレーションや再フォーカスが不要となります。また、最大8倍のズーム範囲内で4つの異なる倍率を設定可能であり、専用のリモートコントロールソフトウェアを通じて最大2秒という短時間で静かに切り替えが完了します。電子部品検査などで、同一基板上にある異なるサイズの部品を高速で検査する必要のある産業用途に適した仕様となっております。

TCBENCHシリーズ

TCHM

TCBENCHシリーズは、単なるテレセントリックレンズではなく、要求の厳しいアプリケーションを手間なく開発できるように設計された統合された光学ベンチシステムです。緑色のテレセントリック照明、クランプ、ベースプレード、クロムガラス製校正パターン、パターンホルダーを統合していますが、このシリーズは単なるコンポーネントの組み合わせではなく、システム全体として品質試験が実施され、個別の試験レポートが提供されます。照明の均一性や歪み、解像度などの光学パラメータは、システムとして最適化されています。このため、高い精度の測定が必要でありながら、個別のコンポーネントの選定や調整に時間を掛けられないユーザーをターゲットとしています。

なお、倍率は0.093倍から1.0倍をカバーしており、精密測定用途に最適化されています。

TCBENCH COREシリーズ

TCHM

TCBENCH COREシリーズは、TCBENCHシリーズをベースによりコンパクト化した精密測定用の光学ベンチシステムです。最大の特徴は、高精度な測定性能を維持しながら、システム全体のサイズを大幅に縮小している点にあります。倍率範囲は0.093倍から0.184倍をカバーしており、従来のTCBENCHシリーズと同等の光学性能を提供しながら、設置面積を大幅に削減し、非常にコンパクトな設計に仕上げました。このシリーズの製品には、詳細な光学パラメータの測定レポートが付属するため、高精度な測定が要求される用途において、システムの性能を事前に確認することができます。

TCSMシリーズ

TCHM

TCSMシリーズは3D測定に特化した両側テレセントリックレンズです。Cマウントカメラに対応した高精度なシャインプルーフ調整機構を兼ね備えているのが最大の特徴です。

この調整機構は検出器平面の水平軸周りに傾斜可能であり、シャインプルーク光学系を利用した斜め撮影による三角測量により、3D寸法測定を行います。シャインプルーフマウントは検出面の水平軸を中心に傾斜するため、優れたポインティングの安定性と焦点の合わせやすさが保障されます。倍率に関しては0.5から0.1倍の範囲をカバーし、視野角は三角測量ベースの技術のニーズに応えるために30~45度まで確保しています。また、本シリーズは両側テレセントリック性により歪みが極めて低く、また画像は一方向にのみ線形圧縮されるため、3D再構成が非常に簡単かつ正確となります。

TCHM

  

マクロレンズ・固定焦点レンズ

EN2MPシリーズ

TCHM

本シリーズは2Mピクセルの性能を持つ固定焦点レンズシリーズで、2/3インチまでのセンサ0に対応しており、焦点距離は3.5㎜から75㎜までをカバーしています。このシリーズ最大の特徴はコストパフォーマンスを重視した設計思想にあります。同社の他のレンズ製品群が高度な光学性能や特殊な機能を提供するのに対して、このシリーズでは工場の自動化における基本的な視覚検査タスクに特化しています。

具体的にはパターンマッチング、位置決め、バーコード認識、包装検査、ロボットガイド、姿勢確認、3D測定など、産業用途で一般的に必要とされる基本的な検査作業をターゲットとしています。

設計面では、レンズは過酷な工場環境での使用を考慮した耐久性を確保しながら、フォーカスとアイリスのロックネジを兼ね備えるなど、実用的な機能を実装しています。

型番 対応センサー 仕様 焦点距離
EN2MP 2/3インチ 2MP 低コストタイプ 3.5-75mm
EN-2RT 2/3インチ 2MP 5-75mm
EN5MP 2/3インチ 5MP 低コストタイプ 8-75mm
EN-5RT 2/3インチ 5MP 5-75mm
EN8MP 1インチ 8MP 8-50mm
EN-9RT 1インチ 9MP 25-75mm
EN10MP 4/3インチ 10MP 12-50mm
EN-12RT 1.1インチ 12MP 8-50mm
EN-A5MX 4/3インチ 5MP 12-35mm
EN-MAX APS-H/FF/43mm 大判センサー対応 25-50mm
EL5MP 2/3インチ 5MP リキッドレンズ 6-25mm
ENVF 2/3インチ バリフォーカル 12-36mm

MCシリーズ

TCHM

MCシリーズは2/3インチまでのセンサー向けに設計された歪みが可能な限りゼロに近づくほど抑えられたのマクロレンズシリーズです。倍率は0.1~6倍までのラインナップを提供しています。このシリーズの特徴は、小さな外径(15nm)を保ちながら、マクロ撮影に特化している光学設計を実現しているところです。そのコンパクトな設計により、光学部品を配置するスペースがほとんどない用途に適しています。

また、従来では小さな物体の撮影では作動距離を調整するために追加のスペーサーを備えた長焦点レンズを使用して観測することがよくありました。しかし、このアプローチは、画像の歪み、コーナー部の解像度の低下、被写界深度の不足、色収差などの問題が発生していました。

MCシリーズは、これらの課題を解決するために専用設計されたマクロイメージングレンズで、高解像度ときわめて低い光学歪みを両立させながら、コンパクトかつコストパフォーマンスの高い製品賭して位置づけられています。精密な寸法計測が必要なアプリケーションに適しており、テレセントリック性を必要としないすべての高精度な測定用途に適しています。

型番 対応センサー 仕様 倍率
MC 2/3インチ 低歪マクロ 0.1-6倍
MC3M 1.1インチ 低歪マクロ 0.1-6倍
MC16K 82mm 16Kラインスキャン用マクロ 0.5-3倍
MC3-03X 2/3インチ 低歪マルチ構成マクロ 0.1-3倍
MC3M3-03X 1.1インチ 低歪マルチ構成マクロ 0.1-3倍
MCSM1-01X - シャインプルーフ調整付き可変マクロ 0.1-1倍
MCSM3M1-025X 1.1インチ シャインプルーフ調整付き可変マクロ 0.25-1倍
MCZM 2/3インチ マクロズーム 0.013-1倍

ENVIS-SWIRMPシリーズ

TCHM

本シリーズはSWIR波長帯用に開発された固定焦点レンズです。最大で2/3インチのセンサーに対応し、焦点距離は5~50mmほどとなっております。

ENUV2Mシリーズ

TCHM

本シリーズは紫外線の波長帯向けに開発された固定焦点レンズです。最大1インチのセンサーをサポートし、焦点距離は25~78㎜です。

  

360°マルチビューレンズ

マシンビジョンにおいて、より少ないカメラで、対象物の全表面を効率的に検査することは重要な課題となっています。従来では、この課題に対して複数のカメラを設置したり、対象物を回転させたりする方法が一般的でしたが、これはシステムの複雑化やコスト増大に繋がっていました。

オプトエンジニアリング社の360度レンズシリーズは、ビジョンシステムのコンポーネントの数を減らしながら製品全体の検査を可能とした設計となっています。特殊な光学設計のおかげで、単一のカメラだけで物体の複数の表面(底面と内面、または上面と外面)を同時に検査出来ます。

360度レンズの技術のいくつかは、オプトエンジニアリング社の研究部門によって開発され、国際的に特許を取得しています。360度レンズは、食品や飲料、製薬や自動車に至るまで、幅広い業界分野で、検査の効率化に使用されています。

外観検査レンズ

PCシリーズ

TCHM

PCシリーズは、外観検査用に開発された360度レンズです。このシリーズの特徴として、ペリセントリックという特殊な光学設計を採用している点です。テレセントリックレンズでは物体を見たときに、絞りを通った後はセンサー側から見て光線はほぼ平行に入射しするため、歪みの少ない安定した画像が得られます。

一方で、ペリセントリックレンズでは、光線が光学軸に向かって収束する設計となっています。超広角的な光の取り込みを行い、対象物の外周側面からの光の取り込みを行うことで、対象物の側面の画像が上面の周りを取り囲むような形でセンサー面に投影されます。このような特徴的な光学系を持つことから、ペリセントリックレンズは特に円筒状の物体の表面を検査するのに最適です。

本シリーズは直径60㎜までの対象物に対応可能で、単一のカメラで物体の上面と側面を同時に撮影可能です。

PCCDシリーズ

TCHM

PCCDシリーズは反射屈折(カタディオプトリック)システムを採用した360度レンズです。この反射屈折システムによる最大の特徴は、対象物の側面観察において、35度という広い視野角を実現している点です。

構造としてはレンズとミラーを組み合わせた光学系となり、対象物を撮像する際に、撮像は大きく2つの経路で行われます。対象物の上面観測用の光路は、直接適菜光路でセンサーの中央部分に結像され、これにより上面を歪みの少ない状態で直接観察が可能となります。一方で、側面観察用の光路について、対象物の側面空の光は反射屈折システムを通過し、センサー面上では、対象物の上面を投影した像の周囲の円環状の領域に投影されます。

この光学設計により、側面に対して35度という広い視野角での観察が可能となり、複雑な形状や段差のある部分の神作において大きな利点となります。また、これにより上面と側面を同時に完全な焦点で捉えることが可能になります。

色収差の補正も優れており、RGBカメラを使用したカラー検査にも対応可能です。想定される対象物の直径は7.5㎜から110㎜と広く対応しており、製薬容器やプラスチックキャップ、ネジ部品などの検査に特に適しております。

TCHM

内観検査レンズ

HCシリーズ

TCHM

HCシリーズは円筒状の中空サンプルの内側と底面を同時に検査することに特化した、最大1.1インチのセンサー用のハイパーセントリックレンズです。本シリーズでは光線が中心軸に向かって収束し、収束点を通過した後に再び発散するという特殊な経路を持っています。

この光路設計により、従来のように複数のカメラシステムを使用したり、サンプルを回転させたりすることなく、内部表面の完全な検査が可能となります。また、HCレンズは最大限の柔軟性と広い視野角を実現する可変絞りを備えており、対象の特徴を鮮明に画像化することができます。

HCシリーズには二つのバージョンがあります。HCBIモデルでは、底面検査に特化するために、視野角30度を持ちつつ、収束点を底面になるように調整してあります。特にボトルの底面の欠陥や異物の検査に適しています。

一方でHCSIモデルでは、側面と底面の同時検査用モデルで、より広い60度の視野角を持ち、側面全体に最適にフォーカスするように調整されています。

HCシリーズは、特に飲料、製薬、化粧品業界向けに容器の内部欠陥を画像化するために最適化されていますが、他の多くの業界分野の中空物体を一般的に検査するのにもご利用いただけます。

TCHM

PCHILシリーズ

TCHM

PCHILシリーズは大口径の光学設計を採用したことにより82度という広い視野角を持ち、円筒状、の物体などの内壁と底面を同時に観察することができます。可変アイリスを採用していることから、様々な直径や厚みの検査対象物に対応が可能です。

TCHM

マルチビューレンズ

PCPWシリーズ

TCHM

PCPWシリーズは、複数の精密に配置されたミラーシステムを内蔵し、1台のカメラで対象物を8つの異なる視点から同時に観察できるマルチビューレンズです。

標準的な検査システムでは複数のカメラを対象物の周囲に配置する必要がありますが、このレンズを使用することで1台のカメラのみで全方向の観察が可能となります。45度という広い視野角により、通常では1台のカメラでは撮影が困難なねじやナットの側面部分も明瞭に捉えることができます。さらに、上部からの観察機能と組み合わせることで、対象物の外壁と内壁を同時に観察することが可能です。

主な用途として、ねじやナットのネジ山検査、円筒形状部品の全周検査などの産業用途で活用されています。特に品質管理工程において、従来の複数カメラシステムをシンプルな1カメラシステムに置き換えることで、検査システムの小型化とコスト削減を実現できます。

PCMPシリーズ

TCHM

PCMPシリーズは特に小型部品の測定と撮像に特化した製品として位置づけられています。具体的には1~10㎜サイズの対象物に最適化されており、主に電子部品やはんだ接合部、微小機械部品などの検査用途を想定しています。

このシリーズの最も特徴的な部分は、6方向からの側面視野と上面視野を同時に獲得できる光学設計にあります。ミラーアレイを使用して両側テレセントリックレンズと組み合わせることで、すべての視野で同一の倍率を実現しています。視野の中心部分では対象物の上面を直接撮像します。また、対象物が公称位置から多少ズレていても、すべての視野で焦点のボケが少ない深い被写界深度を持っているため、小型部品の自動検査において、位置決めの許容度を広げ、検査の信頼性の向上にも貢献いたします。

また、このシリーズでは小型部品検査に最適化されたLED照明を統合しているのも特徴で、これによって別途照明系を構築する必要がなく、システムの小型化と同意の容易さを両立しています。

TCCAGEシリーズ

TCHM

本シリーズは両側テレセントリックレンズとミラーアレイを統合した360度光学システムです。内部に組み込まれたミラーアレイにより、対象物を物理的に回転させることなく90度感覚で4方向からの同時観察を実現しています。

また、テレセントリック光学系を採用することで、対象物が中心からズレた場合でも、測定への影響を最小限に抑えることができます。これにより、高精度な測定アプリケーションにも対応可能となります。

照明システムについても独自の設計を採用しており、バックライトと直接照明の2種類の光源を内蔵しています。この一体型照明システムにより、検査対象物に応じて最適な照明条件を選択可能です。

アプリケーションの観点からでは、以下の用途に特に適しています。

  • 上方からの観察では隠れてしまう特徴を持つ部品の検査
  • 高速な全周検査が要求される生産ライン
  • 細長い形状の対象物の全周検査(4方向からの同時観察が特に有効)
  • 複数方向からの寸法測定が必要な場合